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特集

三原市沼田西の小さな宝石箱「エヒメアヤメ」

天然記念物エヒメアヤメを守ろう!

日本で最も小さく可愛いアヤメ科の植物、エヒメアヤメ。小さくて移動能力が低いと考えられるエヒメアヤメが海を隔てて中国大陸と西日本に分布していることから、氷河期に日本と大陸が陸続きだったことを証明する植物的な重要証拠として、毎年4月、この里山に咲く宝石のようなエヒメアヤメは非常に重要な植物なのです。

エヒメアヤメはもともとシベリアを始めとする大陸系の植物で、寒冷な気候を好んでいます。日本では西日本の数カ所で自生が認められており、うち6カ所が国指定天然記念物の自生南限地帯として指定されています。 エヒメアヤメが生育できるような明るい里山や森林の草原などは、開発や人が山を利用しなくなったことによってどんどん減ってしまい、近い将来絶滅するのではないかと危惧されてもいます。

三原市沼田西のエヒメアヤメは昭和10年に天然記念物指定

エヒメアヤメは明治30年に松山中学校の教諭が愛媛県の腰折山で採取されています。その地名を取って和名を「エヒメアヤメ」と命名したことで大正14年に「エヒメアヤメ」として国の天然記念物に指定されています。
広島県内で最初に発見されたのが、三原市沼田西松江のエヒメアヤメでした。この発見地は昭和10年に「エヒメアヤメ自生南限地帯」として国の天然記念物に指定されています。

エヒメアヤメ保存会会長の宮垣秀正さん

地元エヒメアヤメ保存会で環境保全

沼田西のエヒメアヤメは地元の方々がかつては山林の樹木を伐採して家庭燃料として活用したり、下草を刈り牛の肥料として活用をしていたため、明るい環境が保たれていました。ところが昭和40年代に入ると山林から燃料採取の必要がなくなり、指定地の生育環境が失われ、エヒメアヤメの株数が激減した時期がありました。「地域の文化財を守ろう!」とこの時期に「エヒメアヤメ保存会が結成され、2月と8月に下草刈りの作業が行われるようになったのです。

下草刈り作業終了で記念撮影

斜面での下草刈りは重労働

下草をビニール風呂敷に乗せて

沼田西小学校の皆さん

地元児童による観察学習

エヒメアヤメうまく書けたかな?

可憐なエヒメアヤメを守るために!

エヒメアヤメ保存会では次のような活動を行っています。

・2月下旬 春の草刈り(町内約200名)小学校、PTA、三原市教育委員会、西部団地企業、保存会(2021年、2022年は新型コロナウイルス感染症のため、縮小して行われました)
・4月初旬 公開準備
・4月中旬~6月 見学・環境整備
・7月中旬 種子・株張り調査
・8月下旬 夏の下草刈り

エヒメアヤメの保護活動にご参加いただける方は、下記までご連絡ください。

(写真協力:エヒメアヤメ保存会)

エヒメアヤメ保存会

三原市教育委員会 〒723-8601広島県三原市港町3-5-1 TEL0848-64-2111

エヒメアヤメ自生南限地帯